下肢の閉塞性動脈硬化症

こんにちは。坪井クリニックの検査担当です。

今回は『下肢の閉塞性動脈硬化症(ASO:Arterio-Sclerosis Obliterans)』についてお話したいと思います。

下肢の閉塞性動脈硬化症は、下肢の血管が動脈硬化によって細くなり、狭窄や閉塞することで血流が不足して起こる病気です。

高齢の男性に多く、食生活の欧米化に伴い、増加傾向であり、危険因子としては高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙などが挙げられます。

下肢の閉塞性動脈硬化症の症状は4つの段階に分けることができます。

狭窄や閉塞が悪化すると、症状が段階的に進行します。

I度 冷感・しびれ感

II度 間欠性跛行:しばらく歩くとふくらはぎなどが締めつけられるように痛くなり歩けなくなるが、休憩すると痛みが無くなって再び歩ける。狭窄や閉塞が悪化すると、次第に歩ける距離が短くなる。

「以前は駅までなんとか休まずに歩けたのに、最近は3回休まないと駅にたどり着かない…」など。

III度 安静時痛:歩かずに安静にしていても痛みが続く。

IV度 潰瘍・壊死:皮膚や筋肉の血流が不足して、小さな傷や低温やけどなどをきっかけに、皮膚に潰瘍や壊死を起こし、細菌感染を伴って治りません。

下肢の閉塞性動脈硬化症は、血圧脈波検査(ABI検査)という検査で簡単にわかります。

ABI (ankle brachial pressure index)とは、足関節収縮期血圧/上腕収縮期血圧比のことで、両側足関節と両側上腕の血圧の比で算出します。両腕・両足の血圧を測定するだけなので、5分程の検査です。

通常は下肢の血圧は上肢の血圧より少し高いのですが、下肢の血圧が上肢の血圧より低い場合(比が0.9以下の時)は、下肢の動脈に狭窄または閉塞が疑われます。

ABI検査で、下肢動脈に病変が疑われた患者さんは、下肢超音波検査で下肢の血流を測定する検査や、造影剤を使用したCT検査、MRI検査などで動脈病変部位を評価します。

治療は病変部位や症状によって異なる場合がありますが、カテーテルを用いた血管内治療などがあります。

当院で『血圧脈波検査(ABI検査)』できます。

動脈硬化が疑われる方、歩いたり、階段を上るときふくらはぎあたりが痛くなり、しばらく休むと痛みがとれる症状がある方は、一度先生にご相談ください。