慢性的な頭痛には頭全体や後頭部に圧迫感のある「筋緊張型頭痛」、頭がズキズキ痛む「片頭痛」、目の奥が痛む「群発頭痛」などがあります。
今回は「片頭痛」についてのお話をしたいと思います。
片頭痛とは頭の血管を取り巻く神経が刺激され、血管の拍動を「痛み」として感じられるようになることで引き起こされると考えられています。
動くと痛みが悪化したり、光や音に敏感になることがあったり、強い吐き気を覚え嘔吐してしまうなどの特徴があります。
片頭痛のために集中できなくて仕事や学業に支障をきたしたり、スケジュールを変更したり、やりたいことができないなど社会的影響が大きいです。
片頭痛は心身ともに辛いので我慢せずに、コントロールしていきましょう。
治療には、頭痛発作が起こった時にその痛みを抑える「急性期治療」と片頭痛発作をできるだけ起こさないようにする「予防治療」があります。
「急性期治療」では、市販の痛み止めとは異なる作用をする片頭痛治療剤を使用します。痛みを感じたらすぐに内服すると最も効果を発揮すると言われています。
「予防治療」は漢方などの内服治療を最初に試みますが、片頭痛発作の発症抑制効果のある皮下注射を使用することが増えています。4週に1回の皮下注射を行いますが、効果がでるまでには2か月以上使用を続ける必要があります。
当院でこの皮下注射をはじめた方のほとんどは、1か月後には頭痛の回数が減った、痛みの程度が軽くなったなどと実感されています。「頭痛がよくなり、世界が変わった。」と言われた方もいます。
このお薬は保険適応となりましたが高額です。1本あたり約1万円以上かかることが難点ですがQOL(生活の質)はあがり笑顔で過ごせる日が増えるかもしれません。
当院では頭痛外来を行っています。頭痛でお悩みの方は一度ご相談下さい。