こんにちは。坪井クリニックの検査担当です。
今回は『脂肪肝』についてお話したいと思います。
皆さんは脂肪肝と聞いてどんなイメージを思い浮かべますか?
脂肪肝とは、中性脂肪が肝臓に蓄積する病気です。
軽い病気と考える方も少なくないと思います。
しかし最近、脂肪肝が肝硬変や肝臓がんへと進行する可能性があり、さまざまな生活習慣病のリスクも高めることがわかってきました。
肝臓は小腸で吸収された脂質を脂肪酸、糖質をブドウ糖に分解します。
脂肪酸やブドウ糖はエネルギーとして使われます。
しかし必要以上の脂質や糖質を摂取すると、使いきれなかった脂肪酸やブドウ糖が中性脂肪として肝臓に蓄えられます。
脂肪肝は肝臓に中性脂肪が蓄積された(脂肪が肝臓全体の30%以上を占める)状態です。
脂肪肝の原因はアルコールの過剰摂取、肥満症(BMI30以上で80%に脂肪肝が認められます。)、糖質過剰摂取が3大要因です。
脂肪肝を患っている方は、狭心症や心筋梗塞など心疾患の合併を患う危険性が高い生活習慣病やメタボリックシンドロームなどの合併症も疑われます。
脂肪肝によって血液がドロドロになり血流が悪くなるため、全身の細胞には酸素と栄養分が補給されにくくなります。肥満傾向にあり、倦怠感(だるい、疲れやすい)や頭がボーッとするなどの自覚症状がある方は注意が必要です。
そして脂肪肝は放置すると、脂肪性肝炎、肝硬変、肝がんへと進行する可能性があります。
採血検査の肝臓の数値AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPが高値の方は脂肪肝が疑われます。
それにプラスして、中性脂肪が高値の場合は強く疑われます。
脂肪肝は腹部超音波でわかります。
脂肪肝の方の肝臓は超音波で白っぽく見えます。
また、血液検査で異常がなくても、画像検査で脂肪肝と判断することもあります。
生活習慣が原因の脂肪肝は、生活習慣を改善すれば治ります。
食事療法、運動、禁酒を行い、肝臓にたまった中性脂肪を減らし、肝機能の回復を目指しましょう。
健診で異常を指摘された場合は早めの受診をおすすめします。