肝臓について

こんにちは。坪井クリニックの検査担当です。

今回は『肝臓』についてお話したいと思います。

肝臓は右側の肋骨の下にあり、重さは1〜1.5kg程あり、体の中で最も大きな臓器です。

肝臓には主に3つの働きがあります。

  • 栄養の合成や貯蔵

食べた物(脂質や糖質)は小腸などで吸収され肝臓に運び込まれます。

肝臓は脂質を脂肪酸、糖質をブドウ糖に分解し、それらはエネルギーとして使われます。

使いきれなかった脂肪酸やブドウ糖は中性脂肪として肝臓に蓄えられます。

また、肝臓はタンパク質の合成もしています。

  • 解毒作用

アンモニアなどの有害物質や、アルコール、薬剤などを分解し、毒性の低い物質に変え尿や胆汁中に排出するという解毒作用を持っています。しかし、必要以上にアルコールや薬物を摂取すると肝臓の解毒作用が追い付かず、肝臓に大きな負担をかけてしまいます。

➂ 胆汁の生成・分泌

脂肪の乳化とタンパク質を分解しやすくする働きのある「胆汁」を生成し常に分泌しています。

次に健康診断、定期的な採血でよく検査される肝臓の数値「AST」「ALT」「γ-GTP」について。

  • AST(GOT):「アスパラギン酸トランスフェラーゼ」の略で、肝臓の中にある酵素の1種です。

       ASTは肝臓だけでなく心臓の筋肉や骨格筋などにもみられます。

       肝臓や心臓に何らかの障害があると、血液中のASTが上昇します。

そのためASTは、どの程度「今」肝臓がどの程度炎症を起こしているか。の指標の1つです。

  • ALT(GPT):「アラニンアミノトランスフェラーゼ」の略で、肝臓の中にある酵素の1種です。

         ALTは肝臓に最も多く分布され、肝臓に何らかの障害があると、血液中のALTが

         上昇します。

  そのためALTもASTと同様に、どの程度「今」肝臓が炎症を起こしているか。の指標の1つです。

  • γ-GTP:「ガンマグルタミルトランスペプチターゼ」の略で、アミノ酸の生成にかかせない酵素です。

     主に胆道(肝臓から十二指腸への胆汁の通り道)・膵臓・腎臓の細胞に含まれています。

     特に胆汁の分泌に障害があると上昇します。

     また、アルコールに敏感に反応するため、普段からよくお酒を飲む人は上昇します。

まとめ

  • AST・ALTが高い場合:肝臓の現在の炎症が強いことを示します。

 例えば、AST>ALT:急性肝炎・アルコール性肝炎

AST<ALT:慢性肝炎・脂肪肝      など。

ASTのみが高い場合は、肝臓以外の疾患も考えられます。

  • γ-GTPが高い場合:胆道閉塞・胆汁うっ滞など胆道系疾患・アルコールによる上昇など。

肝臓はとても大切な臓器です。採血結果でAST・ALT・γ-GTPが高値だった場合は、医療機関に相談し

どういった原因で肝臓・胆道系が障害されているのかを一度詳しい検査をうけるようにしましょう。