「便秘」には大きく分けて2つの状態があります。十分な量の便が排出されなくなった「回数や量が減少」した状態と、トイレでスムーズに便が出なくなった「排便困難」を感じる状態です。この2つが混在していることもあります。
便秘はごくありふれた症状なので放置されがちですが、便秘が悪化するだけでなく、便秘によるいきみは「血圧の急上昇」の引き金にもなります。このような血圧の急上昇は心臓や血管に大きな負荷をかけるため、心不全、心筋梗塞、脳卒中などの病気が起こる危険が高まるため注意が必要です。
便秘の原因はさまざまで、ライフステージによって便秘の原因も変化します。生活習慣の乱れだけでなく、ホルモンバランスの崩れや、高齢の方では、食事量の減少や筋力・運動量の低下によっても便秘を引き起こしたり、服用している薬の影響で便秘になることもあります。
その症状により治療も異なりますが、まずはご自身で正しい生活習慣に心がけてみましょう。これは再発予防にもつながります。
〈食環境を見直す〉
・食事は食物繊維が多く、脂肪分が少ない食事を
・適度な水分を取る
・バランスの良い食事を3食取る(朝食は休んでいる腸の活動を促進させる効果があります)
〈生活習慣を見直す〉
・生活リズムは規則正しく
・睡眠は十分に取る
・便意を感じたら我慢せずすぐにトイレへ行く
・適度な運動をしたり、自分の時間を作りリフレッシュするなどストレスを貯めない
それでも便秘が改善されない場合は下剤を内服します。下剤にはいくつかの種類があり、それぞれ異なる作用機序と使用目的があります。便秘が続く場合には病気が隠れていることもあるため、ご相談ください。